2024年9月17日、SOS子どもの村JAPANの活動内容についての説明会としてセミナーが開催されました。参加者は、団体の概要や具体的な活動内容について理解を深めることができました。
講師紹介
今回の講師は、福岡市中央区赤坂に事務所を構える藤本正明さんで、NPOでの活動歴は11年を超えています。前職は金融系のサラリーマンで、福岡に移住後、現在の役職に就いています。
セミナー内容
団体の概要
設立と活動開始: SOS子どもの村JAPANは2006年に設立され、2010年から活動を開始。
認定NPO法人: 寄付を行うと税額控除が受けられる認定を取得。
活動内容
代替家庭の提供: 親を失った子供たちに対して、代わりの家庭を提供する活動。
虐待防止: 子供たちが虐待を受けることを防ぐための取り組みも同時に実施。
財政状況
予算規模: 年間予算は約2億円で、そのうち約55%が福岡市からの行政委託、32%が寄付による収入。
課題と展望
地域社会との連携: 子供や家族が地域から孤立しないよう、里親制度を活用しながら地域社会での支え合いを目指す。
里親制度の普及: 里親制度の普及と支援の強化を目指し、福岡市と連携して取り組みを広げている。また、全国の自治体からの行政視察の機会が増加しており、関心の高さがうかがえる。
質疑応答
セミナーの最後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からの質問に対して藤本さんが丁寧に回答されました。
最後の質疑応答での参加者の関心は主に3つのテーマに集中。
子育て支援の実際の経験と課題について: MBA交流クラブのメンバーからは、親族が近くにいる場合でも、気軽に子供を預けづらい状況についての質問がありました。特に、親族間での預け先選びが心理的に難しいという意見があり、SOS子どもの村の取り組みがこうした課題にどう対応しているのかが問われました。回答では、アジア圏特有の「親が育てるべきだ」という文化的なハードルが存在し、預けること自体に抵抗がある点が強調されました。
責任感と子供の預かりに対する心理的ハードル: 別の参加者からは、他人の子供を預かる際の責任感についての質問がありました。万が一事故やけががあった場合、どのように対応するのかが気になっていました。これに対し、SOS子どもの村の代表は、子供がけがをするのは日常の一部であり、過度な責任感が制度を阻む原因になることを指摘しました。
里親制度に対する夫婦間の意見の違い: 里親になりたいが、夫が反対する場合、どう対応すべきかについての質問がありました。多くの里親希望者がこの問題に直面しており、特に夫婦間で意見が異なる場合にどのように調整すべきかが問われました。これに対し、家族全体の同意がない場合、里親としての活動は難しいとされました。
まとめ
このセミナーでは、NPO法人SOS子どもの村JAPANの活動と、その背後にある社会的課題について詳しく説明がありました。藤本さんは、里親制度や家庭的養育の重要性を強調し、福岡での虐待防止や孤立した親子を支えるための取り組みについて語りました。また、子どもの村が、家庭で育つ子供たちにどのように安心感を提供しているか、里親家庭の支援体制や虐待の防止に向けた具体的な対策についても詳しく説明されました。
参加者からは、子供を預かる際の責任や、里親制度の普及に関する具体的な課題について活発な質問があり、セミナーの最後には、寄付活動や広報活動の改善に向けた提案も行われました。
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